泣き虫なまいき石川啄木感想 - かわいくて斬れない
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泣き虫なまいき石川啄木感想

 観てきました啄木!初で唯一の啄木鑑賞に遅刻するという大失態を犯しながら…うん、迷ったんだ…二回ぐらいスムーズに行けてたのにね…フィーリングで生きてるからね…
 大体最初が重要だと思うので致命傷なんですが、遅れた分物語についていこうと頑張りました。上体を屈めて黒子のように席まで行ったので許して吾郎さん!
 という訳で許しを請う体勢(両手を組み合わせ片膝をつく)のまま感想へ。ネタバレなので続きからどうぞ。


 前情報を聞く限りだとなんかぼっちゃまと同じ感じだったので、似た系統のお話なのかな?と思ったんですが真逆でしたね。
 ぼっちゃまはお金持ちでたかられる立場だったのが、啄木は貧乏でたかる側(笑)という事もあるんですが、ぼっちゃまの場合は刹那主義っていうか、生活の為に生きているといった貧窮に喘ぐ周囲から離れた思想ゆえに愛する家族からも理解されず、苦しみながらもその中で自分なりの答えを見つけていくっていう話だったじゃないですか。そんな生き方をするぐらいなら死を選ぶね、みたいな。
 その点啄木も生活の為に生きるという事へ拒否反応を示していたのは同じですが、色々家族とのいざこざを経て実人生(このワードが劇中では何度も出てきました)、地に足をつけた生活というものを受け入れざるを得ない、色々な葛藤と共に受け入れていく、という感じでした。それでも理想主義は石川の中に変わらずあって、金田一さんと作中で一番の議論を戦わせるシーンがグッときます。
 毎日嫁と姑は氷水だの何だのくだらない事で小競り合いをしたり、そこに妹や父も加わって家の中は大騒ぎ。啄木はそんな中で詩とか小説なんか書けないよーって感じでその騒ぎに耳を塞ぎつつ、友人の金田一にお金の工面をしてもらったりして、始終劇はコミカルに進んでいきます。会場も笑い声がいっぱい上がっていました。
 でも結末を見た後で劇の全てを振り返ると、なんだかやり切れないというか切ない気持ちになるんですよね。コミカルなシーンですら。
 刹那主義から責任主義へって言うと何でも主義付ければ何とかなると思ってるのが丸分かりですが、家族とのいざこざで啄木は書くという事に対する姿勢を変化させていきます。自分の為に書いていたものに、家族の為という理由が加わる。人に責任を持つということ。その中で小説や詩の存在意義というものに啄木なりに答えを出すんですが、それは『実人生』ありきでそれを乗り越える為に娯楽が必要だという、家族と生きていく為の答えなんですよね。
 啄木は家族に対して苦悩し、疎ましく思う事もありながら、それでも勝る情とで葛藤をしていたんです。家族というものは死ぬまで切っても切れないもの、他人の中で一番責任を負わなければいけない人種だから。でもそれが、思わぬ理由で終わる事になる。
 言い方を帰れば束縛でもあるその絆が切れると分かった途端、愛しくも疎ましくもあったその絆がようやくいとおしさだけになる。女には修羅と仏が居て年を経るとどうこうって話が出てましたね。時が経って、過ぎないとそうなれない。
 またそうなる理由が家族として一緒に居たせいだっていうのも切ないです。最後啄木が残した日記を焼き捨てようとして、でも出来なくて、日記を抱きしめる節子。
「ここには、一さんがいる。お義母さんも、光子ちゃんも、お義父さんも、金田一さんも、みんなが。何より、ここには私がいる」(うろ覚え)
 人間は社会的な動物と言われていますが、やはり人との絆の中にだけ存在できるものなのでしょうか。節子もまた、家族への責任として髪をばっさり切るシーンがありました。
 家族への責任に葛藤しながら生きた啄木、その日々を綴った日記を大切に抱える妻。他人の中に存在する事が実人生の果てという事なんでしょうか。
 人生って大変ですね。吾郎さんは劇中泣いたり鼻歌唄ったり息もつかせぬ勢いで言い争ったり大忙しでした。
 私は遊び人な性質なのでより感情移入したのはぼっちゃまの方だったんですが、しかし啄木の方の言う事も分かるんです。分かるっていうか分かってないかもしれませんが、社会学でこないだそんな感じの所をやって、生き方というものについて頭をひねったばかりだったので色々考えてしまいました。
 舞台は登場人物の人生の縮図であり、生き様です。演者は全身でそれを体現し、問い掛けてきます。
 ぼっちゃまも啄木も、見終わった後他人の人生を体験したような、なんとも不思議な気分になりました。舞台っていいものですね。(水野晴郎的な締め方)
 最初の方見れなかったんでなんか間違った感想かもしれません。何考えてんだって思っても生暖かくスルーしてください。それとパンフの写真が素敵なので買ってない人は買ってください。
 それでは、これから初めて・二回目以降を問わず舞台を見に行く人は、楽しんで観てきてくださいね^^
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No Title

うん、楽しんでくるね(笑)
私も吾郎さんの舞台見始めたのぼっちゃまからだったので、その対比を楽しんできます。きみしまちゃんのレポは根底に可愛い
吾郎さんへの愛が詰まってるから好き♪
これからもがんばって!更新楽しみにしてます。

流れるような動作でマッチ点火して煙草吸うのが超かっこよかった

>のあさん
初回ですよね?ネタバレ…っていっても重大なのはしてないので大丈夫ですよね(ドキドキ)
ああ、のあさんもぼっちゃまからだったんですか。対照的な舞台を一年の間に見れて私も嬉しいです♪
根底に愛…ですか。確かに詰まってるかもしれませんが可愛くはないですwww
コメントありがとうございました!舞台への道中お気をつけて!
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